弁財天

ゴフマン「専門家を信じるのではなく、自分自身で考えて判断せよ」

槌田敦のレポート update1

2012年9月。4号機で核兵器開発が行なわれていたのではないかという話を否定できるのは 原子炉級プルトニウムの濃度が低くて核爆弾用途には使えないという理由があったから。

しかし、ブースティング技術が確立して1998年にインドが原子炉級プルトニウムで核実験に成功して以来、兵器級とか原子炉級とか無意味な話なのだ。

フクイチ4号機の核兵器製造疑惑があり、それを否定するような槌田敦のレポートがあった。

核開発に反対する物理研究者の会通信第41号2003年5月日米両国に広がる日本核武装論

紹介いただきました槌田です。最近、安倍内閣官房副長官、福田内閣官房長官、小泉首相が立て続けに日本の核武装について唐突に発言しました。
 安倍官房副長官は学生を相手にして「日本は核兵器を使用してもよい」と話しました。それから福田官房長官は「非核三原則の見直しもあり得る」と言いました。「ただし、小泉内閣はしない」と。
 福田長官は、2002年5月31日に2回記者会見をしたのですが、1回目の記者会見が公式の記者会見で、2回目が非公式の記者会見です。その非公式の記者会見で、「政府首脳」という表現で、彼はこう言ったんです。日本政府が国是としている非核三原則について、「憲法だって変えようという時代だから国際情勢の変化に国民が核兵器を持つべきだという事になれば変わることもあるかもしれない」。こういう言い方をした訳です。ただし、この記者会見をマスコミはほとんど無視しました。
 ただひとつ取り上げたのは東京新聞(中日新聞)でした。6月1日の東京新聞はその全容を国民に報道しましたが、他の新聞は無視し、福田長官の発言をほんの僅かしか書いていません。ところが、東京新聞のこの記事を見て、翌日から大騒ぎになるのです。
 この福田発言で日本中がびっくりしてしまった訳です。「政府首脳」というのは誰だ、それは福田だということになって、質問された小泉首相は「わが内閣では三原則を堅持する。今後の内閣でも堅持して貰いたいと思っている」と述べた後で、「将来の内閣にまでああやれ、こうやれとは言わない。それはどうなるか分からない」という意味のことを言いました。
 なぜこの時に、福田官房長官がこんなに急に核武装問題で発言したのか、を知るために日本核武装問題の歴史を話してみようと思います。この福田発言は唐突に見えるけれども、実は唐突な話ではないのです。唐突なのは、なぜこの時期に、ということだけなのです。

【核武装に向かう日本の歴史】
日本の歴史で、戦後、一貫して核武装に向かって進んでいるのですけれども。1957年、昭和でいうと42年ですが、戦争が終わって十数年経った頃、岸首相が核兵器問題についての話をします。「日本が防衛的核兵器を持つことは許される」。それは憲法の九条の解釈ですけれども、攻撃的な兵器を持たないが、防衛的な兵器は持つことができる。ここで普通の兵器と核兵器を区別する必要はない。したがって、防衛的な核兵器なら許されるというのです。しかし、日本は核兵器を持たないし、持ち込ませない、というのですね。これがこの問題の最初の発言で、その後もずっと日本政府はこの方針を主張し続けてきました。(岸首相ではなくて、1956年の鳩山一郎首相という説もあります)。
 この後、60年安保騒動がありまして、1965年に、佐藤・ジョンソン会談がありました。この会談で佐藤首相はジョンソン大統領に迫る訳です。「私は、日本は核武装すべきだと思う。しかし、国民感情としてはしない、したがって、日本政府としても核兵器を所持しようとは思わないけれども、その代わりにアメリカの核の傘の保障が必要である」と、こういう発言をします。つまり、佐藤首相はアメリカが核の傘を保証しなければ、日本は核武装する、とジョンソン大統領に迫った訳ですね。

【日本反核運動の誤解】
 これを日本の反核運動は間違えた訳です。反核運動は「アメリカの核の傘に断固反対する」と主張し続けてきたのですけれども、核の傘とは何かということについての議論をしていなかったのです。核の傘というのは、日本が核武装をしない代わりにアメリカに要求したもので、アメリカが核の傘をはずしたらその場で日本は核武装するという内容を持っているのです。つまり、核の傘をやめろという運動はその次の日本の核武装をどう考えるかという事の議論をせずに、主張できないことだったのです。
 ところが、日本の反核運動はお粗末で、「日本の核武装はあり得ない」と信じ、議論さえ拒否してきました。広島、長崎での原水禁、原水協の大会で、世界中から「日本は核武装の準備をしている」との指摘があっても、そんな事をする筈がない、と言って議論を拒否し続けてきたのです。このようにして、核の傘と日本の核武装の関係を議論していないので、最近の閣僚の発言が唐突に見えるのです。
 核の傘と日本核武装の問題は、始まりが1965年ですから、もうそろそろ40年の歴史ということになります。1968年には、防衛庁の安全保障問題調査会が、自衛隊と日本の核武装問題をまとめています。その辺の資料については、1994年9月の物理学会のシンポジウムで、私が「自衛隊と日本の核武装能力」という講演をした時にまとめました。それをお配りしますので、参考にしていただければと思います。
 この防衛庁安全保障調査会の報告書(1968年)によれば、日本は核武装する能力があると書いています。その核物質は最近寿命がきて廃炉となった東海原発から得ることができます。当時はまだまだ完成したばかりの東海原発ですが、その東海原発を使うと軍用プルトニウムを年間240キログラム生産できる。このころ、原爆1発作るのにプルトニウムが10キロ必要と考えられていましたから、日本は年間24発の原爆を作るだけのプルトニウムを生産することがてきたのです。

【原爆用プルトニウムを製造する特殊原子炉】
 ここで「東海原発で作る」としていることに注目していただきたいのです。「どのような原発で得られるプルトニウムでも原爆はできる」というようなとんでもないことを主張する人達がいます。日本の多くの原発は軽水炉とよばれる形式でして、福島の原発も福井の原発も、そこで作られるプルトニウムでは核兵器などできないのです。核兵器ができないということを知っているにもかかわらず、できると主張し続ける人達には、「日本の核武装計画を隠そうとする」魂胆があるのです。先程の核の傘と同じ話です。
 このようなことを言う人達すべてがそういう目的を持っていると言っているのではありません。多くの人達は指導者のいうことを「信じて」言っているのですが、脱原発の指導者たちは、軽水炉で作られるプルトニウムをそのまま使ったのでは原爆ができないことを知っています。その人達の書いた本にもその意味のことが書いてあります。
 軽水炉は、世界でもっとも数の多い原発です。東電や関電の原発も軽水炉です。しかし、この軽水炉で作ったプルトニウムを利用して原爆を作った国はひとつもありません。それなのに、どの原発で作ったプルトニウムでも、原爆はできると脱原発の指導者たちは宣伝したのです。
 軍用のプルトニウムを作る原子炉は、黒鉛炉、重水炉、そして高速炉の3種類です。その中でも軍用プルトニウムをたくさん作ったのは黒鉛炉です。黒鉛は、石墨ともグラファイトとも言いますが、たとえば、チェルノブイリ原発は黒鉛炉で、軍用プルトニウムを生産すると同時に、電力も生産していました。
 東海原発も黒鉛炉です。これはイギリスの原子炉で、ソ連の原子炉と同じように軍用プルトニウムと同時に電力も作って、両方を売っていました。防衛庁の資料によれば、東海原発を軍用として使えば、年間240キロの軍用プルトニウムが得られるのですが、電力も売ることにしても軍用プルトニウムを年間10キロ生産できます。それで毎年少しづつ原爆が作れるのです。
 ところで、敗戦国日本が軍用プルトニウムを日本国内で使うことは許されません。そこで、この東海原発の使用済み燃料はすべてイギリスで再処理し、イギリスに売っていました。東海原発は電力を国内で売り、プルトニウムをイギリスに売っていたのです。イギリスはこの東海原発で得られた軍用プルトニウムで、原爆を作っていたのです。
 このことは、推進側、反対側にかかわらず原子力関係者の常識でした。しかし、どちらも仲間内でこっそり語し合う以外ではその話を公式にはしませんでした。たまたま、私は放射線問題で私の職場の労働組合の一員として、電力労連と一緒に東海原発を見学したことがありました。その時、東海原発の所長は参加者が電力労連だけと安心して講演し、最近イギリスはプルトニウムを買ってくれなくなったと嘆いたのです。脱原発の集会では、外国の研究者が「イギリスは東海原発のプルトニウムで原爆を作っている」と指摘しましたが、日本の脱原発の指導者たちは、これをやっきになって否定し、その後もこれを話題にすることはありませんでした。
 軍用プルトニウムを作れるもう1つの原子炉は重水炉です。その代表はキャンドゥ炉で、これはカナダの原子炉でして日本では電源開発が大間に作ろうとした原子炉です。ですが、日本がキャンドウ炉を持つ事に当時のカーター政権は反対します。そしてこの話をぶっ潰してしまいました。キャンドゥ炉で核兵器を作ったのはインドでして、インドがこのキャンドゥ炉で作った核兵器で核実験をしました。

【日本はすでに約100キロの軍用プルトニウムを持っている】
 第三番目の軍用プルトニウムを製造できる原子炉が高速炉です。日本には、高速増殖炉『もんじゅ』と高速実験炉『常陽』があります。これは『増殖』とか『実験』とか口実を並べていますが、どちらも軍用プルトニウムを作るための原子炉なのです。『もんじゅ』は年間62キロの軍用プルトニウムを生産できます。『もんじゅ』は事故まで約1年4ヵ月運転しましたので、約80キロの軍用プルトニウムを生産したはずです。『常陽』は今は作っていませんが、その倉庫にすでに作った軍用プルトニウムを30キロ保管しています。したがって、日本は合計して100キロ以上の軍用プルトニウムを所有していることになります。現代では2キロで核兵器が1発できますから、この使用済み燃料を再処理しさえすればいつでも50発の原爆を作ることができるのです。
 日本の反核運動は、これまでまったくその事を議論させなかったのです。私は、原水禁の助言者のひとりでしたが、原水禁大会で『もんじゅ』や『常陽』の話をして追放されてしまいました。会場から暴力で追い出されたのです。先程、講師紹介で司会者から、私が国の機関から追い出された話をして頂きましたけれども、実は原水禁大会の会場ロビーで日本の核開発反対の署名を集めたというので、腕力で会場から追い出されました。そして私のいないところで、私のことを議論し、「狼少年」と罵倒したそうです。
 軍用プルトニウムを作ることのできる3種類の原子炉の中で、この高速増殖炉が最も濃縮度が高く、軍用に向いたプルトニウムを生産できます。これを用いてフランスは核実験をしました。このムルロア実験は皆さんも覚えていらっしゃると思います。なぜフランスが核実験をしたのかというと、これがアメリカの核兵器とは用いるプルトニウムの濃縮度が違うのです、
 アメリカの核兵器は先程の黒鉛炉でこしらえたプルトニウムを使います。この原子炉は東海原発またはチェルノブイリ原発と良く似た原発ですが、そこから得られるプルトニウムは濃縮度が低いのです。それに比べて高速増殖炉で得たプルトニウムは濃縮度の高いのです。したがって、この高速炉で得たプルトニウムで作る原爆は、非常に性能の良いのです。しかし、アメリカは高速炉の建設を議会が否定しました。そこでフランスの核実験を認める代わりに、アメリカとドイツとイギリスは核実験のデータを全部フランスから貰うことにしました。そしてアメリカはエネルギー省の役人を核実験に立ち会わせました。アメリカ,ドイツ,イギリスの監視の中でフランスが原爆実験をしたのです。つまりフランスの核実験は白人たちの共同の核実験だったのです。

【核武装に向かう日本の歴史(続き)】
 さて、話をもう一度日本の核開発の歴史に戻します。この1968年の防衛庁の報告の前に67年の防衛庁の報告があります。この67年の報告で自主防衛とは何かという事を議論していまして、そこで「日本は核武装すべきではない」と結論しています。つまりこの67年報告書は、日本の自衛隊は核兵器など持ちたくないという立場で書いている非常に貴重な報告書です。防衛庁といえば当然核兵器を持ちたいと思っているだろうという先入観でもって見てはいけないんです。
 しかし、この68年の報告書でそれが訂正されます。だから67年と68年は別の立場から書かれた報告書という事になります。そして68年報告には東海原発は軍用プルトニウムを年間240キロ生産可能という事まで書かれる訳です。何時でも作れるが、今は作らないという考えですね。
 69年、ここらあたりから外務省、防衛庁などは日本の核兵器の問題について非常に慎重になります。それほど67年の報告書で防衛庁が核兵器を持つべきではないと書いた事が衝撃だったのかもしれません。そして、外務省は核兵器製造能力は持つべきだと強く主張することになります。核兵器は外交上の切り札である、こういう能力を持たないと馬鹿にされる、という事になるのかと思います。しかし、干渉を受けないように配慮する。干渉というのは外国からの干渉ではなくて、国民感情からの千渉です。原水禁運動などから日本の核開発が批判されないように尻尾をつかまれないようにするということになります。つまりこれからは核武装問題は機密であるべきだ、という訳ですね。

【日本の核兵器はどこで使うのか】.
 同じ時期に、防衛庁も核開発について具体的に研究を始めます。どういう研究かと言いますと、核兵器をどこで使うのかという研究です。核兵器は、防衛的であっても日本人の被害を考えると日本国内では使えない、また外国に対して使うことは攻撃的だから憲法上使えない、しかし公海でなら防衛的に使える。そこで、1969年には、原子力潜水艦に対して使う研究をします。
 そして1978年、この年から核兵器問題を大っぴらに国会で議論する事になります。参議院で法制局長官が「防衛的なら核兵器を保有しても良い」という見解を参議院で報告します。しかし、これは大きなニュースとしては国民に届かなかった。マスコミだけでなく、社会党も、共産党もこれを国民に伝えなかったのです。国民のよく知らない間に、憲法上日本は核兵器を保有してもよいという既成事実になっていたのです。
 1982年の参議院では、法制局長官は「何度も繰り返し申し述べている通り、日本は憲法上核兵器の保有を禁止していない。通常兵器でも攻撃的であれば禁止されるが防衛的であれば禁止されていない。それは核であろうと通常兵器であろうと変わらない。しかし、日本は核兵器を持たないという政策をとっている」という答弁をしたのです。
 この時、核武装推進派の柳沢議員(民社党)は、「核兵器は攻撃的であっても持つべきだ。そうでなければ日本は馬鹿にされる」と質問します。けれども、防衛庁はのらくら逃げまわります。柳沢は攻撃的な核兵器でなければ無意味だと主張するのですが、防衛庁としてはそんな事には答えられない。
 そこで柳沢議員は腹を立ててしまいまして、食い下がりました。「政府の言う使用して良い核兵器とは一体何だ、どこで使うんだ」と質問しました。政府(防衛庁)側はこれに答えません、そしたら柳沢議員はもう一度同じ質問を繰り返しました。そこで仕方なく防衛庁が答えることになります。「繰り返してのご質問でございますので、核地雷という話もございました」と。核地雷なら防衛的だという訳ですね。
 そこで柳沢議員は慌ててしまいました。82年という時期を考えますと、核地雷を置く所はどこかと言えば北海道に決まっています。そこで柳沢議員は慌てて質問を止めてしまうのです。そんな答えが来るとは思っていなかったのです。核地雷を日本の国内に置けば日本人が被害を受ける事は明確な訳です。このことが防衛的な核兵器と普通の防衛的兵器と違う点ですね。
 通常の防衛的兵器でも国民は被害を受けるのですが、それはたまたまそういうことになったと言い訳ができます。しかし、核兵器の場合は、たまたま被害を受けるのではなくて、国民は確実に被害を受ける事になります。したがって、防衛的核兵器というものは存在しない事がはっきりします。防衛庁もそういう研究を67年の段階でしていまして、核兵器は防衛的には使い物にならないのだという事を書いています。したがって、日本が防衛的核兵器を保有できるという政府見解は、防衛的核兵器は存在しない、ということと矛盾することになるのです。
 この問題は重要でして、海上自衛隊が1969年に原子力潜水艦を目標とする核兵器の所有が可能と考えたのは、攻撃的と防衛的の途中の公海だからです。公海なら防衛的だか攻撃的だかそんな事は分からない話で、攻撃的な原子力潜水艦を防衛的に反撃するという議論になるのです。つまり日本が持つ防衛的核兵器とは、公海で使う核兵器であって、日本国内で防衛的に使えるものではないのです。ま、日本の敗戦が確実になったら、国内でも使うかもしれませんがね。しかし、それこそ日本の軍隊が日本国民を直接攻撃することになり別の意味で憲法違反となりますが、これがまったく議論されていません。

【非核三原則と原子力基本法】
 そこで、1982年の核兵器についての政府見解を整理しておきます。法制局長官は、憲法上防衛的核兵器を所有することは禁止されていないと述べた上で、「ただし、非核三原則という我が国の国是とも言うべき方針によって一切の核兵器を持たない、こういう政策的な選択をしている。これが政府の見解でございます」と述べました。これが1982年までの政府の見解という事になるのです。
 この非核三原則は政策です。政策ですから内閣が何時でも変える事ができます。政府が非核三原則を廃止すると宣言しても、それを止める手立てが無いのです。国策とか政策とかは内閣の方針は、国際情勢が変わればいつでも変えることができるのです。
 それから原子力基本法が核兵器を禁止してると言う人がいますが、禁止なんかしていません、禁止しているのであればそれに違反したときに罰則がなければなりません。この法律は基本法ですから罰則がなく、個別法でこれを具体的に示す必要があったのですが、それをしていなのです。したがって基本法ですから、精神的なものに過ぎないのです。原子力基本法にあるから法的にあるのだなんて見解は法律の間違った解釈です。基本法があって、そして個別の法律に罰則があれば確実なのですが、そういう形にはなっていない。だから国民は騙されています。
 話をその次に進めますが、1994年になって、突然、羽田首相が変な事を言い出しました。「日本は核兵器を持つ能力がある」と発言したのです。これはとんでもない発言で、当時多くの人達はびっくりしました。この発言は、その年の年初めにイギリスのサンデータイムズがイギリス国防相の秘密報告書を暴露したことと関係します。「日本は『濃縮プルトニウム』を組み込めば完成する核兵器を持っている」とする英国防衛省秘密報告書が、その前年の12月に英国内閣に提出されていたのです。
 ここで濃縮プルトニウムとは、濃縮度の高い、つまりプルトニウム239が94%以上のプルトニウムのことです。その濃縮度が低いと原爆にはなりません。その話は後でしますけれども、要するに政治家がある日突然何か変な事を言ったらその裏があると考えるべきです。何かの事実を知って、政治家はそれを自分の心の中に留めておく事ができなくなって、ついしゃべってしまう。そこで、先程の安倍だとか福田だとか小泉だとかは、いったいどういう背景でそういう事をしゃべったのだろうかということになりますが、それはまた後で話す事にしましょう。

【核兵器は保有だけでなく、使用も可能】
 1998年には、参議院で法制局長官が82年頃まで言っていた話をさらに拡張します、つまり防衛的であるなら核兵器の使用も可能というのです。以前は可能なのは保有だったのですね。今度は使用も可能なのです。保有と使用とは同じだというふうには考えないで下さい。レベルが違います。つまり相手を保有で脅すよりは、使用で脅す方が強力です。政府の方針はそこまで変わって来たのです。
 国会議論の内容をもう少し言いますと、防衛する為に必要最小限度にとどまるなら使用も可能であると公明党の質問に答えました。公明党は核兵器の使用は可能なのかと質問したのです。それに対して内閣法制局長官は、言葉としては使用と言う言葉は使っていません。これは質問の方で使用という言葉を使っているのです。だから必要最小限にとどまるなら可能と言うのは、使用が可能かという質問に対して言った言葉です。
 今回の安倍、福田発言で一番足りない議論は核兵器をいったいどこで使うのか。これが抜けているのです。日本の国会では、先程の民社党の柳沢議員の質問に防衛庁が核地雷と答えたのですが、そのままになっています。
 この問題では、最近、民主党の斎藤議員が質問をしました。参議院の外交防衛委員会です。こういう種類の話はどうやら衆議院より参議院の方が向いているようで政府も参議院で答えようとするし、質問する側も参議院ですね。不思議な事に衆議院はあまりやらないのです。
 ここで斎藤議員は「核兵器というのは本質的に攻撃的兵器で憲法上も禁止されているというふうに解釈を変えなければいけないのではないか」という話をして、「国内で使用するという事は考えられない」から外国で使う事になる。それでは攻撃的兵器で憲法違反になる、という話をしたのです。国会での議論はやっとここまできました。原子力潜水艦の話は、防衛庁内部の話で国会で議論された話ではありません。公海上で使う話はまだ国会での議論になっていません

【自衛隊の体質】
 そこで自衛隊の話になります。日本の自衛隊はすごいんですね。今、極東地域の主要軍事力、つまり強大な海軍になっています。
 海軍というのは皆さんご存知の方がいらっしゃると思いますが、前の戦争で真の戦犯は海軍です。前の戦争が始まった原因は海軍の独走にあるのです。陸軍は中国との戦争で手一杯。海軍は何もする事がなかった。そこで海軍はアメリカとの戦争を考えて海軍の装備を増強するという方針を立てた。それでは予算を海軍に取られてしまうことになる。そこで陸軍もアメリカとの戦争準備で予算を請求することにした。陸海軍の軍拡競争が始まったのです。そして海軍が真珠湾を攻撃してしまうのです。その理由は、ヨーロッパでドイツが勝つと予想し、勝ち馬に乗る方針だったのです。前の戦争で一番の戦犯は海軍なのです。
 ところが、戦争裁判で海軍は1人しかA級戦犯を出していない。残りは全部陸軍です。戦争犯罪の裁判はまったくおかしいのです。また日本が簡単に負けた原因は海軍が嘘の報告をして、陸軍が対応できなかったことにある、と今年8月のNHKのテレビ放送がありました。その海軍をそのまま改組した海上自衛隊が今、アメリカ軍の全面指揮下に入って動いています。なぜ海上自衛隊がアメリカ軍の指揮下に簡単に入るのかと言いますと、終戦の時からの関係だからです。戦犯が1人しかいないという事がその事のあらわれですが、日本の軍隊の再建をアメリカは海軍から始めたのです。アメリカは日本の海軍の能力を全面的に利用する方針で、日本海軍を戦犯にせず、この人脈を温存して海上自衛隊を作ったのです。
 したがって、始めからアメリカの指揮下で動く軍隊、この日本の海上自衛隊が日本海、西太平洋だけでなく、インド洋でも動き回っています。そして、全面的にアメリカ軍の指揮下にあります(朝日新聞6月16日)。また、海上自衛隊はイージス艦を3隻買ったそうです。そのイージス艦はアメリカの目や耳となってインド洋で活躍をしています。リムパックの演習でも海上自衛隊はアメリカの艦艇の指揮下で動いています。日本の指揮下ではないのです。このイージス艦のやり方は重要です。日本はアメリカの兵器を買って、それをアメリカの指揮下で使うのです。この話は後でまた話すことにします。

【日本の核兵器製造能力】
 ところで核兵器は2種類あります、ひとつは広島型の原爆、これはリトルボーイ(小さな男の子)と呼ばれています。これは長さ5メートル程度の大砲をそのまま用います。大砲の底に爆薬を詰め、その上に高濃縮ウランの円柱の弾を置きます。大砲の先端は分厚い鋼鉄で覆い、その中に高濃縮ウランの円筒を置きます。そこで、この爆薬に点火するとウランの円柱は弾となって飛び、ウランの円筒の中にはめ込まれます。そうすると核分裂反応が臨界になり、核爆発するのです。単純な爆弾です。
 この広島型原爆はあまりに簡単な構造ですから、不発弾になることはありません。したがって核実験は必要ありません。簡単で爆発は確実という爆弾です。しかし、ウラン235の濃縮度60%を超える軍用ウランを数10キロも濃縮するには大量の電力が必要です。だからアメリカはこの爆弾を終戦直前に一発しか用意できなかったのです。それも最後のウランのひとかけらが届いたのは広島に投下する2日前で、テニアン基地でこの原爆を現地組み立てしたといいます。
 蛇足ですが、北朝鮮にはこのウラン原爆を作る能力はないと思います。電力が不足しているからです。そこで日本と韓国が重油や電力供給すれば、それでウラン原爆を作ることになるでしょう。
 それからもう一つの軍用プルトニウムを使うファットマン(太った男)という長崎型爆弾、は構造が複雑です。この原爆も最初はウラン原爆と同じ大砲形で設計されました。しかし、軍用プルトニウムに含まれる不純物プルトニウムのため、プルトニウムの円筒の中にプルトニウムの円柱の弾をはめ込む前に核分裂反応が始まり、円柱の弾が柔らかくなって円筒の穴にはめ込むことができないのです。
 そこで、設計を変えて球形の爆弾にしました。穴の空いたプルトニウムの球の外側を爆薬で包みます。これを点火するとプルトニウムが中心に圧縮されて臨界になり、核爆発することになります。しかし、構造が複雑なので、アメリカはこのプルトニウム爆弾が不発弾になることを恐れました。爆薬の球形が上手に作れないと、爆発させた時ひしゃげて、プルトニウムを十分に圧縮することができないのです。そこで、核実験して爆発するかどうかをネバダで核実験して確かめました。しかし、それでも実際の場面で核爆発するかどうか不安なので、この爆弾と同じ大きさの核抜きの爆弾を50発こしらえてパンプキン(かぼちゃ)爆弾と名付け日本の各地にばらまきました。プルトニウム原爆が不発弾になった時ごまかそうとしたのです。
 この長崎型爆弾でも軍用プルトニウムを原子炉で得ることはやはり困難ですが、濃縮ウランよりは電力消費量が少なく安上がりで、アメリカ、ロシア、フランス、イギリスなどは、その後の核開発をもっぱらこのプルトニウム爆弾の製造に向けました。しかし、中国、イスラエル、南アフリカ、パキスタンなど技術力のない国は簡単な構造のウラン爆弾に頼りました。そのためには巨大発電所が必要になります。中国は黄河をせき止めて発電所を作りましたが、現在は、やはりプルトニウム爆弾を主体にしています。
 しかし、軍用プルトニウムは原子炉で作るといっても、いわゆる軽水炉から得られるプルトニウムでは、プルトニウム239が濃縮度60%程度でしかなく、これでは到底核兵器を作ることはできません。その理由はいくつもありますが、たとえば不純物プルトニウムをたくさん含むので原爆はすぐに劣化してしまうのです。また爆弾が大きくなり過ぎて運ぶことができないのです。さらに不純物プルトニウムの放射能のため発熱量が大きいので、まわりを包む爆薬が自然爆発する心配もあります。アメリカの最初のプルトニウム原爆は濃縮度が94%程度というのですが、重量は5トンもあってB29という大型の飛行機が必要でした。そして発熱量が大きくて、この爆弾を触った人が後で証言しています。「何か、生きたウサギを触っているようで温かかった」と。
 ところでこのプルトニウム爆弾は、技術のある国では簡単に作れます。まず、濃縮度の高いプルトニウムを使えばよいのです。軍用プルトニウムの濃縮度は94%以上ですが、高速炉で作ったプルトニウムは、『もんじゅ』の場合濃縮度は97.6%で、『常陽』では99.4%です。高速炉を持っているフランスと日本は簡単に核兵器が作れる国なのです。だから先程フランスの核実験が、白人国家の連合としておこなわれたのです。
 この高速炉で発電もすると、熱を媒介する物質としてナトリウムのほかに水も使うことになるので、『もんじゅ』のように事故多発が悩みの種です。しかし、発電しないというのであれば、水を使う必要がなく、『常陽』のようにほとんど事故を起こさず、軍用プルトニウムを生産できます。さきほども述べましたが、『常陽』は今は軍用プルトニウムは作っていませんが、いつでも復元改造すれば軍用プルトニウムを作ることができます。しかし、そろそろ『常陽』も寿命がきていることが問題です。
 ところで、軽水炉から作るプルトニウムが、まったく原爆に使えないという訳ではありません。軽水炉で得られるプルトニウムの濃縮度は60%ですが、これをレーザー濃縮で94%以上に高めればよいのです。しかし、どうやらこれは失敗したらしいのです。アメリカはこのレーザー濃縮でウランを濃縮するといっていましたが、中止してしまいました。日本もウランのレーザー濃縮については研究さえ中止しました。ウランも濃縮できないような方法がプルトニウム濃縮に使える筈もありません。結局、軽水炉から得られるプルトニウムは利用価値がないことになったのです。発電用として使うには費用がかかり過ぎ、軍用にも使えないので、日本以外の国では、使用済み核燃料は再処理せず、すべて廃棄する方針です。

【中性子爆弾と水爆】
 中性子爆弾や水爆はこのプルトニウム原爆で得られる1億度という高温を利用して核融合させる爆弾です。中性子爆弾は原爆を爆発させて中性子と高温を得、これによりトリチウムと重水素を核融合させ、大量の中性子を発生させる爆弾です。大きさは直径16センチ、長さ40センチ程度で、兵隊が持ち運ぶこともできて大砲で使えるきわめて小さい核兵器です。これに用いるプルトニウムは2キロ、トリチウムは数10グラムです。
 通常の水爆の核弾頭は、円錐形で高さが1メートル、底辺の直径が30センチ程度、その最下部に球形のプルトニウム爆弾が入っています。これを爆発させて、中性子と高温を得て、その上にある重水素化リチウムを核融合させます。そこで得られる大量の中性子を最頂部にある濃縮ウランに当てて、核分裂反応させるというものです。つまり、原爆一水爆一原爆という3重の爆弾です。トリチウムも必要ですが、その量は3グラム程度とごく少量です。
 日本は、軍用プルトニウムを生産できる『もんじゅ』と『常陽』を所有しています。軍用ウランは六ヶ所の濃縮工場で生産できます。しかし、日本にはトリチウムを作る装置がありません。トリチウムを大量に持とうとすると世界中から疑惑の目で見られます。そこで、トリチウムを作る口実が必要です。そのため、日本は核融合実験炉ITER(イータ)を誘致しようとしているのです。
 ITERの建設が認められれば、トリチウムを1.5キロ所有することができます。水爆に必要な量3グラムの500倍という巨大な量です。そして、トリチウムを製造するのに、原発を改造して、トリチウム生産炉にすることもできます。だから何としてでもITERが欲しいという事になります。ITERさえあればトリチウムをいっぱい作ってもよいのです。トリチウムを作る原子炉としては、六ヶ所村の隣にある東通原発が利用できます。この原発は消費地の東京から遠いため、遠方に送電することになるので、電力の損失があり送電費用がかさみ、経済的ではなく、ITERのために国が買い上げてくれればよいと電力会社は思っています。このようにして、六ヶ所に建設予定のITERとともに下北半島は核兵器工場地帯となるのです。
 中性子爆弾は1発の値段は3億円です。同じ大きさの小型原爆(戦術核)は1発1500万円ですから20倍もします。その違いは、トリチウムの扱いが困難で費用がかさむからです。それほどトリチウム技術は大変なのですが、これがITERの開発で取得できることになります。核融合研究は核武装の準備そのものなのです。
 多くの日本人は、日本の核武装はアメリカが許さないと考えています。しかし、アメリカはすでに方針を変更しています。日本がアメリカの管理のもとに核兵器を作ることを許しています。そのことは、高速炉『常陽』と『もんじゅ』の使用済み燃料を再処理する技術をアメリカは日本に売ったことで明らかです。これは、大きさが10センチ程度の小さい遠心分離機ですが、使用済み燃料の硝酸溶液から軍用プルトニウムを抽出するために必要な技術です。軍用プルトニウムを現存の再処理工場で抽出することは、臨界の危険があるのです。そこで、このように小さい抽出装置が必要なのです。この軍用プルトニウムの再処理工場RETFが現在東海村の再処理工場の隣に建設中です。

【福田発言の真意はどこか】
 ここで先程の安倍、福田発言の真意を考える事になります。何故今なのか?日本の核武装は海外で取り沙汰されているけれども、まだ『もんじゅ』は事故のままで復帰していない。『常陽』はJCOの臨界事故のため、燃料供給がままならない。高速炉使用済み燃料の再処理工場RETFは建設作業が進んでいない。話としてつじつまが合わないのです。ITERだって確実に誘致できるという種類の話でもない。日本の核武装計画は頓挫しているのに、何故唐突に安倍、福田、小泉の3人が日本の核武装を喋ったのか。
 ここであのイージス艦が思い出されます。日本はアメリカから核兵器を「買って使えば」よいのです。こういうやり方をしますと、買うのですから「持ち込ませる」のではありません。それから日本が持っていないんだから「持たず」です。そして「作らず」です。非核三原則なんてどうでも良い話になるのです。
 アメリカが日本に核兵器を売る商談がすでに成立したのではないかと私は想像しています。実際に購入したとは思いませんけれど。購入する契約ができただけでよいのです。何時でも沖縄に置いてあるアメリカの核兵器を日本は使えるのですから。
 ただし、最初に使う所は東シナ海やインド洋やそういう公海で使う。その準備が完成して安倍さん、福田さんは黙っていられなくなったのではないでしょうか。

【きな臭いアジアの核】
 話をさらに続けて行きます。そうするとどこと戦争する為にそんな事を考えているのだろうと言う事になります。それはきな臭いアジアの核という事になります。アジアの核、これは世界の核兵器はいったいどこがいくつ持っているかという話ですね。多い方から順にアメリカ、ロシア、フランス、イギリス、これは常識ですね。中国はもうイギリスを越えて290発。インド、パキスタンは20~30発程度です。これが世界の核です。
 もっとも困った状態になっているのはアジアの核です。アジアの核は非常に不安定なのです。そこで中国が方針を変えました。中国の核は以前はすべてモスクワを向いていたのですが、今はそうではなくて小型の核の開発をするようになりました。それからアメリカもそれに対抗して小型核の開発をしています(2002年3月10日、中日新聞)。アメリカの小型核兵器は中国と中東、そして北朝鮮を狙っているのです。
 ヨーロッパ情勢では、ドイツの核武装はどうかという問題ですが、これはする必要がありません。フランスは既にドイツと運命共同体になっています。ドイツという国は外交上手な国ですね。日本は大東亜共栄圏を作り損なったのですが、ドイツはちゃんとヨーロッパ共栄圏をこしらえ上げました。ヨーロッパ共栄圏の目的は、ヨーロッパの中で戦争をしないようにしようと。これがヨーロッパの悲願だったのです。このように言えば、フランスやその他の国もすべてドイツの仲間になる事ができます。
 日本は天皇制をかかげていますから、大東亜共栄圏は無理でしょう。そして、政治家が靖国にこだわっていたのでは、話が進む訳がありません。
 天皇制をかかげないドイツの場合は、フランスとしっかり連合することができます。特に注目するのはシーメンスとフラムトムの合併です。シーメンスというのはドイツの有名な軍事企業です。フラムトムというのはフランスの核兵器を作っている元国営の企業です。このドイツの軍事企業がフランスの核企業を吸収合併したのです。これでフランスの核兵器はドイツのものになりました。すでにドイツは核保有国です。それだけでなく、ドイツとフランスとは核戦争する可能性がなくなったのです。

【使えない核兵器、使える核兵器】
 アメリカは大量に核兵器を作りましたが、それは使えない核兵器でした。ブッシュは、これを使える核兵器に変えようと一生懸命になっています。核兵器は、半世紀前に日本に使ったのが最後です。その後、あっちこっちで使おうとしたけれど、世界の反発を恐れて使えなかったのです。今回イラクが大量破壊兵器を使ったら、それを口実に核兵器で反撃するのではないかと思います。
 その結果を考えますと、使ってしまってからなら非難されようが何しようが済んだ話になるのです。これが人間の性癖です。人間という動物は、使う前には大反対するけれども、使ってしまってからはその現状を認めるのが人間の性癖です。現在は、核兵器が恐いぞ恐いぞと宣伝が行き渡っているので、核兵器を使うことに尻込みしていますが、一旦使ってしまえば、それからは何時でも使えるようになります。
 これまでに核兵器は恐いという宣伝が行き渡りましたので、使えない兵器だったのです。したがって長崎、広島での日本人の反核運動は間違えたのです。核兵器が恐いと言えば言う程、核兵器の恐怖の兵器としての地位はどんどん上がっていきました。
 原水爆が恐いということを悪いとは言いませんげれども、原水爆が恐いと言うならそれを使ったアメリカを非難しなければならなかったのです。それを同時にしなかったのでアメリカは免責され、アメリカに核兵器を持つ恐い国という権利だけを与えることになりました。
 それと同時に、核兵器はもっとも恐ろしい兵器なので、弱小国がこれを持つと外国に対して優位になるという誘惑が広まり、世界中で核開発競争となったのです。しかし、現状では核兵器は仮に持ったとしても使えない兵器である。使えなければ恐い事にはならない。先程、保有と使用とは違うというお話をしました。保有はしているけれど使用もできないものなんて張り子の虎という事になる。ここで、アメリカが核兵器を1発でも使えば、その後は使用で使える兵器になるのです。
 アメリカという国が今何をしようとしているかと言うと、世界に対して徳川家康の江戸幕府をこしらえようとしているのだと思います。幕府に逆らう勢力はとことん潰す。この世界の幕府にとって必要なのは何か。核兵器を使う権利を世界の幕府が持つという事なんです。アメリカに逆らったら、最終的には核兵器を使ってでも漬される。だから今回イラクでアメリカが使えば、核兵器はアメリカ幕府の象徴になります。

【アジアの核抑止は日本にまかせる】
 そこでイラクにそういう事が仮にあったとします。しかし、パキスタンやインドでアメリカが核兵器を使えるかということになりますと、これは無理というものです。核兵器を持っているアジアの複雑な関係にアメリカが介入すると、そのあと始末にアメリカは困ることになるからです。
 そこでこれをどうやって対処すれば良いか。答えは日本にアメリカの承認のもとに核兵器を使わせればよい。アジアには石油などの資源はない。アジアを占領したところで、アメリカの利益はない。そこでアジアのことは、アジアで解決させる。中国とインドとパキスタンの三つ巴の紛争に日本に核を持たせて参加させる。日本の海上自衛隊はアメリカに忠実ですからやるに違いありません。アメリカの承認により日本がするのです。まず、日本にアメリカの核兵器を買わせて使わせる。次に、アメリカの管理下で日本に自前の核兵器を作らせる。
 そのようになると、日本と中国では核の軍拡競争が始まり、冷戦状態に入ります。これは両国を消耗させる最高の方法になります。アメリカは冷戦でロシアに勝ったけれども、経済的には疲弊したという経験があるだけに同じ道に日本と中国を引きずり込んで黄色い人間を鎮圧する路線があり得るのです。
 そこで先程の語が復活します。アメリカは間もなく日本に対する核の傘を外す筈です。核の傘が外れた途端に日本は核武装に突入します。アメリカの核があるからという理由で日本は核を持たない事にして来たのです。日本の核武装はその時に本格化します。それまでの準備期間が今の時代だと思います。

【第三次世界大戦と日本の核武装】
 そこで有事なんですね、有事とは何か。有事というのは安倍さんの大好きな言葉なんですけれども、アメリカと中国が対立したときにどちらの側に立つかという問題なのです。現状では中国の側に立つなどという事は有り得ないと誰もが思っている。しかし、それは歴史を勉強していない証拠です。
 前の戦争のとき、日本とドイツが同盟を結ぶなんてことは誰も考えなかった。なぜかというと、日本はドイツが嫌いだし、ドイツは日本が大嫌い。まず日本はドイツにとって泥棒猫です。第一次世界大戦で、日本はどちらが勝ちそうか様子を見たうえで、遅れて参加しました。そして、日本は中国山東省に持っていたドイツの権益をぶん取ったのです。勝ち馬に乗った日本はドイツ人に恨まれるのは当然です。
 当時日本はアメリカとは仲が良かった。アメリカの西海岸は日本との貿易が盛んだった。青い目をした人形の歌などいろいろな仲の良い話がある訳です。それなのに戦争に入った。なぜ入ったか。ドイツが勝つと判断し、ふたたび勝ち馬に乗るためにドイツに加担して戦争に参加したのです。
 だからそういう事を考えるとアメリカとヨーロッパ、そしてアメリカと中国の争いになった時、ヨーロッパと中国の側に立って、アメリカと戦争することだって有り得るのです。アメリカはイランを抑えるためにイラクに軍事援助した。しかし、そのイラクがアメリカに逆らうことになった。それと同じことが繰り返されることもあるのです。日本とアメリカが仲たがいしないとは決して言えないのが同盟と戦争の姿です。その場合、第二次世界大戦よりも悲惨なことになります。
 それでそのきっかけとなる日本の本格的核武装の時期は何時か。中国とインド、パキスタンで核戦争の恐れのある紛争が始まった時だと思います。それでいろいろなシナリオがあるけれども、最初のシナリオにしたがえば、日本がアメリカ軍の同盟軍としてアメリカから核兵器を買って直ちに使用する。これは憲法に違反しないと弁解するだろう。そして非核三原則の範囲外ともいうだろう。

【結論】
 日本は核武装する筈が無いと信じたい。でも一方に愛国心という面倒な思想があるのです。残念な事に。学生達と話をしているともうそんな話ですよ。要するに中国が核を持っているのに日本が核を持たないなんて事がありうるのか。これは愛国心です。中国に攻めて来られたらっていう恐怖心。そういう人達が将来の日本を背負う訳ですから。

 で、今回のマスコミのやり方。そして多くの人達のやり方。安倍、福田、小泉を叩いて結局彼らを黙らせてしまった。再びこの問題は闇の中です。叩いて黙らせるという事ばかり今迄の運動はしてきたのではないか。本質を議論する事をしないで相手の言う事を黙らせる。これがこれまでの反核運動であり、平和運動であったのです。
 安倍、福田発言があったことをきっかけにして、今こそ議論しようと、なぜ問題提起をしないのか。この逆をするのが日本人の特徴です。だからこれに逆らって日本人の血の体質を改善しようなどとしても無駄ということになります。ではどうすれば良いのか。全て現実は認めよう。現実を良いとか悪いとかで排除しては駄目だ。現実を認めて現実の中でどうするかを考えなくてはいけない。
 これは悪い事だ、だから喋っちゃいけないんだなんてそういうやり方を今迄の日本の運動はし続けて来た。日本の核問題で、日本の核武装が問題になった時、日本は核武装する筈がないとして、狼少年などと言って議論を潰してしまうやり方。これこそが一番の犯罪だと思います。日本人にはこれが多いんです。福田や安倍に対してもそれを言って封じてしまってはいけない。その中身の議論こそ必要なのです。
 ありがとうございました。

「夢の核融合」のウラは核兵器開発 槌田敦 2004/02/21

 核融合の研究者たちには誇大妄想狂が多い。核融合とは重水素とトリチウムの核反応であるが、その燃料の重水素は海水から得ると言う。だが、塩分のため装置が痛むので、これは普通の水から得る。もうひとつの燃料のトリチウムの原料はリチウムであるが、これも海水にあると言う。だが、海水中のリチウム濃度は薄いからこれを取り出すには大量のエネルギーが必要になり、実行されることはない。

 また、核融合は太陽の反応と言う。だが、その体積あたりの発熱量はわずかであって、人間の発熱量の1万分の1に過ぎない。太陽の総発熱量が多いのは図体がでかいからである。ざっと、こういう調子で誇張ばかりである。

 それにこのリチウムからトリチウムを作るのに核融合炉1基あたり10基の原子炉が必要で、核融合は原発の10倍の放射能を作る。そして、核融合反応で発生する中性子は原発の核分裂よりも強烈で量も多く、これに耐える金属容器は存在しない。したがって、自己点火で核融合反応が成功しても、炉がすぐに痛むので発電は無理である。

 私は、30年前、これらの理由をあげて研究者のいう核融合のウソに反対した。その後、核融合研究はほとんど進歩せず、言っていることも昔と同じで、私の指摘には何も答えられない。しかし、その研究費はどんどん巨大になり、使い物にならない装置がどんどん作られ、古いものはどんどん廃棄されている。

 また、石油や天然ガスは200年程度では枯渇しないことも分かった。エネルギー問題はすでに消滅したのだから、核融合の研究開発を急がなくてはならない理由は何もない。それでもなお、核融合開発は国家プロジェクトとして続けられている。

 ところで、今回提案のITER方式では、自己点火までは加熱できないと計算された(1996年)。したがって、ITERの発電計画は中止になったようだが、建設だけはこの計算結果を無視して実行するというデタラメさである。失敗かどうかが実証されるのは20年後だから、現在のITER推進者たちは退職するので無責任なのである。

 そのうえ、核融合の研究を続けるには巨額の費用と電力と鉄など資源のほか、リチウム、ニオブなど希少資源も大量に消費される。ITERの場合、原発を5基建設できる資金と莫大な量の鉄などを消費する。したがって、イータはITER(道の意)ではなく、今後は「EATER」(大食い意)と改名するのがよいと思われる。

 このように、「夢の核融合」でしかなかったのである。それなのに、日本とフランスがこの「EATER」の誘致合戦でしのぎを削る「夢想家」を演じている。したがって、これには裏の目的があると判断する外はない。

 日本の場合は、トリチウムの軍事利用である。この問題を、推進派はもちろん、多くの反対派も口を閉ざしている。日本の反対派が、この重要なことを故意に隠す裏には、裏のまた裏があるようだ。

 世界の原子力の商業利用は自滅の方向にある。ドイツは03年11月稼動中の原発を1基廃止した。今後つぎつぎと廃止する予定である。アメリカは20年前から原発を建設していない。電力会社は原発をきわめて安価に手放し、それぞれ小さな発電会社として独立させ、発電を続けることにした。イギリスの原発会社は破産寸前である。銀行債務を圧縮し、政府の50億ポンド(約1兆円)の援助で、当面の経営破綻を回避した(03年10月)。

 日本も各地で原発建設計画を取りやめた。原発の費用が高くて使い物にならないのである。これまで、原発は安いとウソをついてきたのだが、電力の自由化と天然ガス利用いう世界経済の流れで、このウソがばれてしまった。経産省はまだ原発は安いと言っているが、電力会社は原発は高いと言いはじめた。

 その結果、核保有国は原子力の商業利用は止めて、元の軍事利用に戻そうとしている。アメリカは、建設中の原発を水爆や中性子爆弾用のトリチウム生産炉に変更した。
 日本は軍事利用を本格的に始めようとしている。総合科学技術会議は、04年度予算案の最優先Sランクとして、高速炉もんじゅと核融合「EATER」などを決定した。

 もんじゅを開発するのは、原爆用プルトニウムを生産できるからである。多くの日本人は「どんなプルトニウムでも原爆になる」というウソを教えられ、これを信じているが、普通の原発から得られるプルトニウムでは原爆はできない。原爆用のプルトニウムを得るには、高速炉などの特殊な原子炉が必要である。したがって、普通の原発の建設は次々と中止する一方で、ナトリウム漏れ事故のもんじゅの運転を再開しようとする。

 「EATER」は水爆用のトリチウムを大量に使う。したがって、「EATER」を日本国内に建設すれば、日本はそのトリチウムを生産し、これを大量貯蔵することが、認められることになる。逆に、この「EATER」を国内に建設できなければ、日本はトリチウムを生産する口実が得られず、核兵器開発ができないのである。

 フランスの場合は、もともと核兵器所有が認められている国であるから、その口実は必要がない。しかし、フランスは原発大国であって、その余剰電力に困っている。「EATER」を世界の援助で作って、この余剰電力を大量消費できることを望んでいる。

 ドイツは、フランスとしっかり軍事同盟したから、フランスの核はすでにドイツの核であって、金のかかる核兵器開発をする必要がなく、「EATER」を必要としていない。仮にフランスが「EATER」の誘致に成功して、その費用の半分を負担することになっても、それはEUが負担するので、ドイツの分担はそれほどではない。

 フランスは、日本の電力料金がフランスの1.4倍も高いと主張する。発電しない「EATER」を運転するのに、原発半基分の50万キロワットの電力料金がかさむからである。そして、青森県六ヶ所村は地震対策が必要で、建設費はフランスの場合よりもずっと高くなり、各国負担は増えるとも指摘する。

 一方、アメリカは日本の核武装がアメリカの手のひらの上でなされることを認めている。したがって、日本支持である。中国とロシアはフランス支持である。残る韓国は揺れている。したがって、日本の核開発の実態を中国、ロシア、韓国がどう見るかで「EATER」を日本が誘致できるかどうかが決まるのである。

結論から言えば槌田氏も技術的な陽動を行なってる。 商用原子炉でもTPBARを燃やせばトリチウムを生産でき、 そのトリチウムと原子力級のプルトニウムを組み合わてプースティングを使えば第4世代核兵器を作ることができるからだ。

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