弁財天

ゴフマン「専門家を信じるのではなく、自分自身で考えて判断せよ」

高性能フィルター付きベント(FILTRA) update5

フクイチの教訓 NRC中間報告2012年8月7日
BRIEFING ON THE STATUS OF LESSONS LEARNED FROM THE FUKUSHIMA DAI-ICHI ACCIDENT AUGUST 7, 2012

NRCはSRM-SECY-11-0137でベントの信頼性向上の対応策をTier1とTier3で命令。NTTFはMark I型とMark II型BWRのフィルター付きの格納容器ベントシステムを勧告することになった。柏崎刈羽などの日本のポンコツMark[ⅠⅡ]型は対応しなくていいのか?

デビッド・ロシュバウム 7ページ(39/146ページ)
フィルター付きベント:通常のガス放出は米のBWRではフィルターされている。設計上のガス放出もフィルターされている。しかし、深刻事故時のガス放出はフィルターされてない。これは設計上の考慮漏れだ。

NTTF勧告#5 34ページ(98/146ページ)
ベントの信頼性強化(RHV)。NRDCは高性能フィルター付きRHVを米のPWRとMarkⅠ型とMarkⅡ型BWRに導入するための指針サポートを開始。スウェーデンは全ての原発に高性能フィルター付きベントを1988年末までに導入済。仏の全てのPWRは1990年代に装備

NTTF勧告#5 35ページ(99/146ページ)
ドイツは全ての原発にフィルター付きベントを装備。なぜNRCは出遅れてるのか?8インチ口径のRHVは炉心損傷の発生前に格納容器を単純に保護することを目的としている。深刻事故では妥当する範囲はおそらく不十分。

なぜ高性能フィルター付きベントが必要なのか? 36ページ(100/146ページ)

  • 全ての事故がゆっくり進行する訳ではない。ステーションブラックアウト(SBO)事故。
  • 速く進行する事故、大事故では住民避難が完了する「前」に炉心損傷発生が原因で早期(数分以内)のベントが可能になっている必要がある。
  • 危ない核分裂生成物の除去。MarkⅠ型ウェットウェル内の希ガスや爆発性の水素ガスは液体に凝縮しないから。

FILTRA 37ページ(101/146ページ)
ロングアイランドの電力会社(Long Island Lighting Co.)はスウェーデンの高性能フィルター付きベントFILTRAをShoreham原発のMarkⅡ型BWRへの設置を計画。

Mark I型とMark II型BWRのフィルター付きベントシステム(FCVS)
BWR Mark I and Mark II Filterd Containment Venting System (FCVS) 2012年5月14日

FILTRAは商品名ではなく 1992年7月28日スウェーデンBWRの安全弁の開閉失敗事故と スリーマイル島事故を受けてスウェーデン政府の原子炉に安全に関する委員会で立ち上げた FILTRA研究プロジェクトのこと。



  • スウェーデン
    • Swedish Radiation Safety Authority (SSM)
    • Forsmark Unit 2 (Vattenfall) – similar to Mark II
    • Ringhals Unit 1 (Vattenfall) – similar to Mark II
  • スイス
    • Swiss Federal Nuclear Safety Inspectorate (ENSI/HSK)
    • Leibstadt (KKL) – Mark III
    • Mühleberg (BKW) – similar to Mark I

なんと日本の原発はスウェーデンより25年も遅れている。日本には総括原価方式があり時間もカネも十分あったはず。これは経産省や経団連にカネと時間をいくら注ぎ込んでも無駄だということを意味している。体制に問題がありカネがどこかに消えているのだ。

スウェーデンのBWRはGE日立ではなくスウェーデンのアセアアトム社が開発してる。設計者が違うからFILTRAが付属してるのだ。なんてことだ。フクイチがGE日立ではなくアセアアトム社のBWRだったら躊躇せずベントできてメルトダウンを回避できたかもしれないのだ。

ECCS作動で配管が破断した事故を経験し 本気で設計したら爺様2人分以上の太さの巨大配管と原子炉の建屋とは別にFILTRA専用の建屋ができたという。


それではベントした後に原発は安全に戻るのかというとそれは違う。 大飯原発のようなPWRなら加圧器からのベントが成功しても、その後の一次冷却系と二次冷却系の圧力差で配管が破断してしまう。 BWRならフクイチ2号機のようにベントに成功してもサプレッションチェンバー(S/C)の破壊が起きた。 ベントするときは原発全体の配管強度が許容する圧力差の範囲で小刻みにやらないと破断するのだ。 これを人の操作で行なうのは無理。圧力センサーをあちこちに配置してコンピュータ制御によるベントが必要だが、AP1000の様子をみてるとまだまだ程遠い。

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